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MIXOLOGY JAPAN

記録断章:GHOST-LINKを中心とした構造整理

記録断章:GHOST-LINKを中心とした構造整理──記録者:Mitsurugi—

1. ゴーストリンクとは何だったのか

表の説明では「全人類の記憶を保存・共有する平和的なアーカイブ計画」。だが実際は、**記憶そのものを編集可能にする“再配列装置”**だった。大西共和国・記録工学局は、液体記憶媒体とデジタル構文を融合させ、「個人の記憶・感情・経験」をネットワーク上で統合する構想を推進していた。要は、 『人間の脳をひとつの巨大な編集室に繋ぎ、過去そのものを書き換える』これがゴーストリンクの正体だ。

2. 記道との接続

記道は本来「記録と記憶を正しく残す」という精神的・文化的体系だった。だがゴーストリンクの思想は、その対極にあった。記道→記録を“守る” ゴーストリンク→記録を“作り変える” その衝突は避けられず、一部の記道派はゴーストリンクを**“記録犯罪の温床”**と断じ、大西共和国から距離を取った。だが皮肉にも、その「記録保存」の技術基盤の一部は、記道の儀礼体系から流用されている。

3. マドラー計画との関係

ゴーストリンクの一部機能は、すでに記録零落前から小規模で試されていた。それが「マドラー計画」だ。これは“液体言語”を撹拌(マドリング)し、飲む行為で記憶を直接書き換える実験だった。感情や短期記憶を数分~数時間だけ改変し、特定の行動パターンを植え付けることが目的。その技術は、一部プロクテル構文の原型でもある。

4. MJとヤマセ基地

MJはヤマセ連結区画の大西共和国軍基地に出入りしていた。その理由は「マドラー計画」開発班への関与だと推測される。彼は調合法や構文設計に携わった可能性が高い。一部のログでは、実験対象としても登録されていた痕跡がある。もしこれが事実なら、現在の彼の“沈黙”は意志ではなく、マドラー計画の産物かもしれない。

5. 記録零落とゴーストリンク

零歴2000年10月29日 03:11(JST)、永島県中心市街でゴーストリンク中枢が稼働中に異常が発生。再定義コマンドが暴走し、書き換えではなく「記録という概念そのもの」が削除された。文化・地理・個人記憶が世界規模で断絶・混濁。事故か、ミソロジーの介入か、それとも内部犯行か──いまだ不明。

6. 現在への影響

記道は信頼を失い、断片化。大西共和国は公式にゴーストリンクの存在を否定。20数年後、MJは零落溶解師として活動を始めた際、記録工学局と関わるようになる。後に再構成計画の“沈黙の指示者”として現れた(空白期間あり)。プロクテルは、零落で飛び散った記憶構文の液体化した断片。

まとめるとこうだ ゴーストリンクは、記道から生まれた技術を反転させ、マドラー計画で小規模運用され、最終的に世界規模の記録零落を引き起こした、もしくは関与した可能性がある。

そしてMJは、20余年の時間差で「その全ての交差点」にいた。

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