紅の派兵者(R.F.R13)が送り出す赤なら、Crimson Doctrine(R.F.R08)は内側で固める赤。
革命家:霧島 暁(きりしま・あかつき)通称:〈赤書の旗手〉出自:イクサノ砕溶帯位相:将愚音崩壊の実働指導者の一人/思想設計者教義(Crimson Doctrine の原型)
1. 対外侵略恐怖の明文化:「侵略は“起こり得る”ではなく“前提”」
2. 自由=合理の副産物:「自由は感情ではなく“設計”で守る」
3. 利益・幸福優先:「規範は手段。生存・利益・幸福が目的」
4. 即応主義:「思考と行動の最短化。迷いは敵」
5. 予言者の責任:「大衆の熱は道具、熱を冷ます理性は義務」> 霧島が遺した手帳群(通称赤書)が、後のR.F.R.08「Crimson Doctrine(紅の教義)」の語源となる。
零落民ケース:深江 迅(ふかえ・じん)年齢:20代後半/所在:イクサノ砕溶帯/通称:〈割前(わりまえ)〉症状(記録零落後に出現)功利化オーバードライブ:どんな場面でも即座に利益・損失を口頭で算段(止まらない)。
規範拒否の合理化:「それ、誰の幸福に資する?」が口癖化。対外過警戒:未知の集団・車列・灯りに侵入仮説を即時生成、身体硬直。教義の逆流:霧島の赤書断片語を無意識に引用(本人は記憶なし)。
霧島暁の“侵略は前提”という教義断片の過学習、功利計算の過駆動(利益→幸福→規範の順で感傷的例外なく即応)、を生理側から固定している可能性が高い。つまり迅は「思想に染まった」のではなく、“染みの方が先に身体側で固まった”と表されるべき。
原因仮説 記録零落の波で、家系が保管していた“霧島の筆録(赤書の写し)”のメタデータがラムダゼロの非常用バックアップ網を経由して脳内に逆流。→ 本人の体験ではない“強い価値判断”が常駐し、PTSD様の過覚醒+功利計算の強迫へ。
白龍の判断「規範違反の衝動ではなく、“幸福最適化”への強迫」一般的介入(暴露・再解釈)は本人の物語が薄いため定着しづらい教義そのものを“外部の器”に移して可視化・検証すべき → R.F.R.08 の運用が妥当
R.F.R.08 – Crimson Doctrine(紅の教義)性格:“染みつく赤”=価値判断を甘苦で固定化し、行動を合理へ駆動する液体構文役割診断/介入の両用:診断…被験者の“教義飽和”を味の立ち上がりと意思決定速度で判定介入…利益↔幸福↔規範を口内で再配列させ、外部化した“教義”に質問を投げる儀礼
所見:CTスキャンにて重度の扁桃体の異常(左右差/低吸収域の疑い)。イクサノ地域の零落民に多くみられる症状。臨床観察でも情緒反応の変位(過覚醒・易怒・回避と即時合理化の反復)を確認。解釈:恐怖条件づけ・脅威検知のハブである扁桃体の機能偏位をスキャン上で目視済み
物語連結 紅の派兵者(R.F.R.13)が“送り出す赤”なら、紅の教義(R.F.R.08)は“内側で固める赤”。霧島の教義が「侵略恐怖→合理→幸福」の順で口内に立ち上がるよう設計。
白龍の観測ログ(深江ケース)「一口目、利益が最初に口を出た。三秒だ。二口目、幸福がすぐ追いついた。三口目、規範は沈黙した。霧島の赤が、迅の舌でまだ生きている。」白龍は教義の外部化が成立したと判断。以降はA.P.E系(選定中)で、“侵略前提”の再条件づけを段階的に行う計画をMJへ引き継ぎ。
ミツルギのまとめ(公開レポート抜粋)> 霧島は、正しかったのかもしれない。だが零落は、正しさの重さをまちがった場所へ返した。深江迅は戦っていない。けれど、合理の刃を抜き続けている。紅の教義は答えじゃない。質問の器だ。「それは誰の幸福だ?」この問いを、外の杯へ出せたなら、舌はやっと静かになる。