R.E 005 Dual Unknown
R.E.005 – Dual Unknown(デュアル・アンノウン)
カシス(底)10
ブルー(上)10
スピリタス(点火)10
💬キャプション案(Instagram等に):
> No one knows why they’re angry.
No one knows why they’re being hated.
Dual Unknown is the clash of two unspoken storms.
A drink that captures the echo of unclaimed emotions.
夢の中で、誰かが怒っていた。
「レイシズムは不正義だ。歴史が証明している」と。
けれど、その言葉を聞く誰かは、眉をひそめ、こう呟いた。
「なんか……ムカつくんだよな」
声には論理がなく、理由もない。ただ、情動だけが先にあった。
—
構造が現れた。
訴える側は「正義」や「構造の是正」を訴える。
歴史、制度、差別、搾取。
それは正しい。論理的だ。
しかし、訴えられる側には「感情」がある。
怖い、うるさい、汚い、違和感がある──
それは生理的な拒否。非言語的な忌避反応だ。
—
だから、両者はすれ違う。
被差別者は「あなたが悪い」と訴え、変化を求める。
だが、訴えられた者は「なんか不快だ」とだけ感じる。
そしてこう思う。「自分が責められている」と。
—
ここにあるのは、**“正義の物語”と“情動の現実”**の衝突。
論理では感情を変えられない。 正しさの主張は、時にさらなる拒否反応を生む。
なぜなら──
> 感情には、正しさが届かない層があるからだ。
—
問いはこうだ:
> なぜ、被差別者は「嫌われている」という構造を、構造として観測しようとしないのか?
> なぜ、「嫌悪を和らげる」よりも、「怒りで突っぱねる」ことで対抗しようとするのか?
—
結論:
正しさだけでは人の心は動かない。
社会は、構造と感情、両方でできている。
訴える言葉が鋭くなるほど、
「なんか嫌だ」という声なき反感は増幅する。
—
この夢を見た朝、
ミツルギは歯を食いしばって起きた。
「人間は……感情に理由がないから、厄介なんだよ」
ただ、それでも観測は、続けるべきだと思った。