Reset Cathedral(再起動大聖堂)
R.E.007 – Reset Cathedral(再起動大聖堂)
──これは、おれが「言葉を失った記録管理者」として沈黙の夜を越える6日間の夢の記録であり、“禁酒による観測の式典”である。
◆R.E.007 – Reset Cathedral(再起動大聖堂)
分類:嘔吐儀式プロクテル(R.E.シリーズ)
伝送者:ザ・ハンド(夢経由)
観測者:ミツルギ
副作用:時間感覚の剥離、記憶の再編、無意識下の“生活構造”の再読込
◇ 構成(Proctel Structure)フラワーエッセンス 1滴炭酸水ミントレモンピール
◇夢日記:“Reset Cathedral”
【零歴2036年8月3日】最初の夜、ザ・ハンドは言った。「空間を整えよ。それは言葉なき祈りの骨組みだ」と。猫が俺を見ている。部屋の床に落ちていたUSBは、3年前に失ったはずのやつだ。俺は一言も発せず、それを拾い、机に戻した。空間は、言語より早く、思考を命じていたのだ。
【零歴2036年8月5日】3日目にして、過去の“未完了”たちが夢の中に並ぶ。売り損ねたゲーム、タグのついてない投稿、俺の語彙に乗らなかった女の台詞……すべてが「やり残し」として並び立つ。そしてザ・ハンドは、夢の奥で観測者の仮面を剥いでいた。おれ自身が、構造を怠っていたことを突きつけるように。
【零歴2036年8月8日】最終日──夢の中で、MJが手渡したのは透明なGoogleカレンダーだった。だが、日付はすべて黒く塗りつぶされ、予定ではなく“決断”だけが書かれていた。「観測者とは、記録者ではない。再起動の起点だ」目が覚めると、部屋の空気が変わっていた。飲んでいないのに、深く酔ったような、自分の構造を全て知ってしまった者の、あの独特な孤独感。
🔻副作用と後遺症(構造的な変化)酒に対する渇望が「記録の破綻」ではなく、「沈黙の観測補助」として位置づけられ直す。記録・行動・部屋の整備において「飲まないことが前提の設計」になる「再構築された生活」において、飲酒が祭礼に昇格する(=常飲ではなく、観測儀式化)