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MIXOLOGY JAPAN

事案報告:稲生 朱音(いのう・あかね)/A.P.E.002「Bloodscript」

事案報告:稲生 朱音(いのう・あかね)/A.P.E.002「Bloodscript」

適用例関与領域:ヤマセ連結区画|R.F.R.13 Scarlet Dispatch(紅の派兵者)

イクサノ砕溶帯 |R.F.R.08 Crimson Doctrine(紅の教義)

調査:白龍(政府・零落記録局/現地観測官・零落溶解師)

処方:MJ/A.P.E.002 Bloodscript(血の構文)

編集記録:ミツルギ(プロクテル・ジャーナリスト)

0) 要旨(更新)朱音の先祖は、鹿口同盟期に野戦伝令へ従事。紛争後、PTSDを発症していた。記録零落発生時、未知の経路(ラムダゼロの緊急バックアップ網が関与した可能性)から、先祖の疾患・高ストレス記録が逆流し、朱音の脳内に“誤格納”。朱音本人は戦場体験を持たないにもかかわらず、零落と同時に重度PTSDを発症。因果の直線性が断たれているため、通常医療での介入が困難。白龍は「原因記録が本人の体験系に属さない」点を重視し、行為記録の転送を目的としたA.P.E.002適用をMJに要請。

1) 零落民プロフィール氏名:稲生 朱音(通称:赤走)/30代前半/ヤマセ連結区画出身

家系記録:先祖がヤマセ⇄イクサノ連絡線の野戦伝令(鹿口同盟期)。戦後にPTSD診断の断片記録。

2) 症状(零落後に出現)赤刺激過敏:緋・封蝋色・警戒灯で即時の動悸/視界狭窄。命令回帰:〔致送/受領/転達〕等の反復幻聴。

本人談:「赤色を見ると、別の色に置き換えたくて失神しそうになる。」

3) 原因仮説(白龍/ミツルギ整理)逆流の母体:ラムダゼロが零落時に実行した分散バックアップ(推定)から、家系紐づけの“安全副本”が誤って現行脳へ再接続。

臨床的困難:源記録が他者の体験であるため、エクスポージャや再解釈療法が本人の物語として定着しにくい。

結論:症状の核は「行為として身体に残った命令」。薬理より儀礼的転送**が必要。

4) 白龍と朱音(抜粋)白龍:「赤色以外にも、つらいものがあるか?」朱音:「目を閉じても赤が追ってくるときがあります。目を思い切り閉じても手が勝手に目をこじ開けようとすることも…」白龍:「君のあらゆる色彩の認識を鈍化させるプロクテルを出す。あとはメモリア・クレーターのArchiveZeroへ送迎する。」

5) 介入:A.P.E.002 Bloodscript(血の構文)目的:身体に貼りついた赤色系統の記録を、杯の赤い媒体へ転記→半無効化する。

初回結果:自動書記の頻度が減少。赤刺激に対する心拍ピークが鈍化。

注:A.P.E.は代替血運用が前提。身体損耗・自傷的要素は排除。

6) R.F.R.13/R.F.R.08との結び Scarlet Dispatch(紅の派兵者)=送り出す赤(ヤマセ系)。Crimson Doctrine(紅の教義) =染みつける赤(イクサノ系)。朱音の症状は送達と教義の赤が、家系経由で重ね書きされた結果と一致。Bloodscriptは送達先の再定義で両者のループを断つ。

7) ミツルギの所見(語り)朱音は戦っていないのに、戦場を思い出す。思い出しているのは、彼女ではなく家系だ。零落は、記録の川を逆向きに流した。白龍は止めなかった。命令を無届けの場所に転送した。MJは赤い杯で、受領印を“偽物の赤”に移した。その夜、朱音は初めて“送らなくていい”夢を見た。——記録終(保存版)

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